概要
腎臓、副腎、膀胱、尿管、前立腺、精巣・尿道および外陰部にかかわる病気を扱っています。
当院の泌尿器科は泌尿器科疾患の全般に対応していますが、特に腎がん、膀胱がん、前立腺がんなどの悪性腫瘍の治療に力を入れています。手術療法においては内視鏡手術、腹腔鏡手術や開腹手術など最も適すると思われる治療法を検討します。
最近では前立腺がん、腎臓がんを対象に、より低侵襲で患者さまの負担が少ないロボット支援手術も導入しています。>> ロボット支援手術について詳しくはこちら
また、遠隔転移を伴う進行がんや再発がんに対しても手術療法、放射線治療、化学療法をはじめとした薬物療法をがんの種類や進行度に応じて組み合わせた集学的治療を行っています。
最近では前立腺がん、腎臓がんを対象に、より低侵襲で患者さまの負担が少ないロボット支援手術も導入しています。>> ロボット支援手術について詳しくはこちら
また、遠隔転移を伴う進行がんや再発がんに対しても手術療法、放射線治療、化学療法をはじめとした薬物療法をがんの種類や進行度に応じて組み合わせた集学的治療を行っています。
特色
腎がん・膀胱がん・前立腺がん治療に力を入れています。
当科には、日本がん治療認定機構のがん治療認定医が3名おり、治療にあたっています。また、泌尿器科専門医を含む5名の医師が常勤し、日本泌尿器科学会専門医教育施設にも認定されています。
合併症を持つ患者さまの手術にも積極的に取り組み、透析センターが併設されていることから、腎機能障害合併例にも対応が可能です。
合併症を持つ患者さまの手術にも積極的に取り組み、透析センターが併設されていることから、腎機能障害合併例にも対応が可能です。
【ロボット支援手術】
2021年12月に最新鋭の手術ロボット「da Vinci (ダビンチ)Xi」を導入しました。ダビンチの導入により、より高精度で患者さまの体への負担が少ない手術が可能となりました。現在は、前立腺がん、腎臓がんを対象に手術を実施しています。
2021年12月に最新鋭の手術ロボット「da Vinci (ダビンチ)Xi」を導入しました。ダビンチの導入により、より高精度で患者さまの体への負担が少ない手術が可能となりました。現在は、前立腺がん、腎臓がんを対象に手術を実施しています。
主な対象疾患
- 腎がん
- 腎盂尿管がん
- 膀胱がん
- 前立腺がん
- その他泌尿器腫瘍
- 前立腺肥大症
- 尿路結石症 など
※上記は一例です。
診療内容
当科のがん治療における特徴と主な実績
腎がん(腎細胞がん)
腎がんは初期に特徴的な症状はなく検診や他の病気の精密検査の際に偶然発見されるものが多い一方で、肺や、骨などの他臓器の転移性病変が先に見つかり結果的に腎がんが見つかることもあります。腎がんが進行すると血尿や腰背部痛、腹部のしこりなどが生じることがあります。気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
治療
治療方法はがんの進行の程度や全身状態により検討します。手術療法としては腫瘍のある患側の腎を摘出する腎摘除術を行いますが、近年腎機能を温存する目的で腎部分切除術を行う症例も増えています。それぞれの症例に応じて腹腔鏡手術(後腹膜鏡手術)、開腹手術などの術式を検討して行います。
術後再発症例や遠隔転移を伴う進行性腎癌に対しては主に分子標的薬を用いた薬物療法を行います。
治療
治療方法はがんの進行の程度や全身状態により検討します。手術療法としては腫瘍のある患側の腎を摘出する腎摘除術を行いますが、近年腎機能を温存する目的で腎部分切除術を行う症例も増えています。それぞれの症例に応じて腹腔鏡手術(後腹膜鏡手術)、開腹手術などの術式を検討して行います。
術後再発症例や遠隔転移を伴う進行性腎癌に対しては主に分子標的薬を用いた薬物療法を行います。
腎盂尿管がん
腎盂から尿管、膀胱、尿道の一部へとつながる尿路の内側は尿路上皮と呼ばれる粘膜でできています。この細胞から発生するがんを尿路上皮がんといい、腎盂・尿管がんのほとんどを占めます。腎実質の腎細胞から発生する腎がんとは異なるため区別されます。
最も多い症状は肉眼的血尿です。がんで尿管がふさがると、腎臓の中に尿がたまり腎盂が拡張した状態(水腎症)になります。特別な症状がなく検診で水腎症を指摘され精密検査の結果、腎盂尿管がんが診断されることもあります。
治療
腎尿管全摘除術を行います。がんのある片側の腎臓、尿管、さらに膀胱壁の一部を含めた全ての上部尿路の摘出および膀胱部分切除を行います。病状に応じてリンパ節郭清も追加し、術前後に化学療法を行うことがあります。多くの症例を腹腔鏡手術(後腹膜鏡手術)の適応としております。
術後再発症例や遠隔転移を伴う進行がんに対しては主に化学療法を行います。数種類の抗がん剤を組み合わせて使用する多剤併用化学療法が標準的です。
最も多い症状は肉眼的血尿です。がんで尿管がふさがると、腎臓の中に尿がたまり腎盂が拡張した状態(水腎症)になります。特別な症状がなく検診で水腎症を指摘され精密検査の結果、腎盂尿管がんが診断されることもあります。
治療
腎尿管全摘除術を行います。がんのある片側の腎臓、尿管、さらに膀胱壁の一部を含めた全ての上部尿路の摘出および膀胱部分切除を行います。病状に応じてリンパ節郭清も追加し、術前後に化学療法を行うことがあります。多くの症例を腹腔鏡手術(後腹膜鏡手術)の適応としております。
術後再発症例や遠隔転移を伴う進行がんに対しては主に化学療法を行います。数種類の抗がん剤を組み合わせて使用する多剤併用化学療法が標準的です。
膀胱がん
肉眼的血尿により発症することが多く、主に筋層非浸潤性膀胱がん、筋層浸潤性膀胱がんに大別されます。CT検査やMRI検査などの画像診断と合わせて経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を行い診断します。
治療
筋層非浸潤性膀胱がんの多くはTUR-BTにより治癒できます。中には放置すると転移を来したり浸潤がんに進展する危険度の高いハイリスク筋層非浸潤性膀胱がんとされる症例もあり、正確な深達度を評価したり残存する腫瘍の切除を目的にもう一度手術を行う(2nd TUR)こともあります。また膀胱内再発を来す頻度が高い特徴があり術後に抗がん剤やBCGの膀胱内注入療法を行うことがすすめられる症例もあります。
筋層浸潤性膀胱がんに対しては膀胱全摘除術を行います。膀胱を摘出すると尿路を再建する必要があります(尿路変向術)。回腸導管造設術や尿管皮膚ろう造設術が行われますが当科では術後の生活の質(QOL)を重視した自排尿型新膀胱造設術(代用膀胱造設術)に積極的に取り組んでおります。膀胱全摘は侵襲が大きい手術です。年齢や合併症の理由から膀胱全摘が困難な症例などに対しては化学療法と放射線療法を併せて膀胱温存する治療法も行ってはおりますがその適応は慎重に判断されます。
術後再発症例や遠隔転移を伴う進行がんに対しては主に化学療法を行います。数種類の抗がん剤を組み合わせて使用する多剤併用化学療法が標準的です。その他膀胱全摘除術の術前後に治療効果を高める目的で化学療法を行うこともあります(術前・術後補助化学療法)。
治療
筋層非浸潤性膀胱がんの多くはTUR-BTにより治癒できます。中には放置すると転移を来したり浸潤がんに進展する危険度の高いハイリスク筋層非浸潤性膀胱がんとされる症例もあり、正確な深達度を評価したり残存する腫瘍の切除を目的にもう一度手術を行う(2nd TUR)こともあります。また膀胱内再発を来す頻度が高い特徴があり術後に抗がん剤やBCGの膀胱内注入療法を行うことがすすめられる症例もあります。
筋層浸潤性膀胱がんに対しては膀胱全摘除術を行います。膀胱を摘出すると尿路を再建する必要があります(尿路変向術)。回腸導管造設術や尿管皮膚ろう造設術が行われますが当科では術後の生活の質(QOL)を重視した自排尿型新膀胱造設術(代用膀胱造設術)に積極的に取り組んでおります。膀胱全摘は侵襲が大きい手術です。年齢や合併症の理由から膀胱全摘が困難な症例などに対しては化学療法と放射線療法を併せて膀胱温存する治療法も行ってはおりますがその適応は慎重に判断されます。
術後再発症例や遠隔転移を伴う進行がんに対しては主に化学療法を行います。数種類の抗がん剤を組み合わせて使用する多剤併用化学療法が標準的です。その他膀胱全摘除術の術前後に治療効果を高める目的で化学療法を行うこともあります(術前・術後補助化学療法)。
前立腺がん
早期のものは自覚症状がありません。前立腺がん検診などで前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA値が高いことで発見されます。進行すると排尿障害や血尿、骨転移に伴う痛みがでてくることがあります。診断のために前立腺生検を行いますが、当科では1泊入院で行っております。下半身麻酔をかけて前立腺から12か所程度組織を採取します。生検の結果、前立腺がんと診断された場合はCT検査、MRI検査、骨シンチグラフィ検査などを行い病期診断を行い治療方針を検討します。
治療
主に手術療法、放射線療法、ホルモン療法に分けられます。転移を認めない限局がんの症例には根治を目的とした手術療法、もしくは放射線療法が適応となります。手術では、ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術を行っています。放射線療法では放射線治療医と連携し強度変調放射線治療(IMRT)を行っております。当科では、前立腺がんへの放射線治療を行う際に、放射線の直腸への影響を低減する目的で行う「ハイドロゲルスペーサー(SpaceOAR®)の留置を行っています。ホルモン療法は男性ホルモンを妨げる薬により前立腺がんの勢いを抑える治療です。多くの症例で治療は奏功しますが治療の経過で薬の効果が薄れてきて病勢が悪化し再燃することがあります。このようなものを去勢抵抗性前立腺がんといいます。去勢抵抗性前立腺がんに対しては新規ホルモン剤を用いたり化学療法を行い治療します。
・ハイドロゲルスペーサー(SpaceOAR®)について
治療
主に手術療法、放射線療法、ホルモン療法に分けられます。転移を認めない限局がんの症例には根治を目的とした手術療法、もしくは放射線療法が適応となります。手術では、ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術を行っています。放射線療法では放射線治療医と連携し強度変調放射線治療(IMRT)を行っております。当科では、前立腺がんへの放射線治療を行う際に、放射線の直腸への影響を低減する目的で行う「ハイドロゲルスペーサー(SpaceOAR®)の留置を行っています。ホルモン療法は男性ホルモンを妨げる薬により前立腺がんの勢いを抑える治療です。多くの症例で治療は奏功しますが治療の経過で薬の効果が薄れてきて病勢が悪化し再燃することがあります。このようなものを去勢抵抗性前立腺がんといいます。去勢抵抗性前立腺がんに対しては新規ホルモン剤を用いたり化学療法を行い治療します。
・ハイドロゲルスペーサー(SpaceOAR®)について
その他泌尿器腫瘍
精巣腫瘍、陰茎がん、副腎腫瘍や後腹膜腫瘍の治療も行っております。これらに対しても手術療法や化学療法など適切に治療選択を行い実施しております。
前立腺肥大症
前立腺肥大症は良性の疾患です。頻尿や残尿感、尿の勢いが弱いなどの排尿障害が起こり、時に尿が詰まってでなくなってしまうこともあります(尿閉)。病状に応じて薬物療法を行いますが十分に症状が改善しないなどの場合、外科的治療として経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を行います。
尿路結石症
尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)のいずれかに結石ができます。結石の位置によりその呼び方が変わります。症状としては腰背部の激しい痛みや肉眼的血尿を生じたり時には尿路閉塞による腎不全、尿路感染症の発症など来すことがあります。小さな結石は自然に排石されることが多いですが、排石されないものには外科的治療が必要となります。
当科では結石の性状に応じて体外衝撃波結石破砕術(ESWL)やホルミウムレーザーを用いた経尿道的尿路結石破砕術(TUL)、経皮的腎砕石術(PNL)を行っております。比較的大きな結石や従来アプローチが困難であった腎結石に対しても軟性尿管鏡を用いたf-TULを積極的に行っており良好な治療成績をおさめています。ESWLは原則的に1泊入院での治療としております。
当科では結石の性状に応じて体外衝撃波結石破砕術(ESWL)やホルミウムレーザーを用いた経尿道的尿路結石破砕術(TUL)、経皮的腎砕石術(PNL)を行っております。比較的大きな結石や従来アプローチが困難であった腎結石に対しても軟性尿管鏡を用いたf-TULを積極的に行っており良好な治療成績をおさめています。ESWLは原則的に1泊入院での治療としております。
実績
論文
・2023年3月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が、雑誌「Clinical Nutrition ESPEN」に掲載されました
・2022年11月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「BMC Urology 22」に掲載されました
・2022年5月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Nutrients」に掲載されました
・2022年4月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Current Oncology」に掲載されました
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が、雑誌「Clinical Nutrition ESPEN」に掲載されました
・2022年11月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「BMC Urology 22」に掲載されました
・2022年5月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Nutrients」に掲載されました
・2022年4月
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Current Oncology」に掲載されました
お知らせ
患者さまへ 学術研究へのご協力のお願い
当院では、医療の質の向上を目的として、患者さまの症例を登録して学術研究に役立てるデータベース事業に協力しています。